登場人物

【結崎祐(ゆうざきたすく)】

積極的に他人と関わりたがらないため、他人からも近寄りがたい印象を抱かれることが多い。
しかし理由なく他人を軽んじたり、接触されて冷たい態度をとることもないため、実際には関わり合いの有無で印象が異なる。
時に通常ならば合理的と判断することの優先度を捨ててまで交流を避けることがあり、伊三路から遠回しにたしなめられることもある。
表情は薄いが負の方向への起伏は人並みに富み、不機嫌な顔がよくみられる。左利き。
人前では黒い手袋を身に着けている。

【茅間伊三路(かやのまいさじ)】

いつも明るく、よく食べ、よく笑う。"人懐こい"の言葉が似合う男子生徒。
編入してから日常へよく溶け込んでいるが、言葉の節々から垣間見える私生活には謎が多い。
愛想がなくいつもひとりでいる祐に特別な興味を抱いており、行動を共にする。
初対面では年齢より幼い印象を受けるが、独特の価値観を持ち合わせる。
場を弁えた線引きは自身の中にあるものの、生活で見られる一面としての発言ではデリカシーはあまりないほう。
また、自身のことを語ることを好まず、自ら利害関係を持ちかけた祐に対しても意図的に語らない話題が多い。

【日野春暦(ひのはるこよみ)】

祐と伊三路のクラスメイト。気が弱くいつも愛想笑いを浮かべているが、ふたりと行動を共にすることが多い。
常に流されているように見えて、気心の知れた相手にはマイペースを貫く図太さも持ち合わせている。
しっかりと意思表示を行うことをするため今日まで集団生活におけるいじめなどの標的になることはなかった。
素行の悪い幼馴染を気にかけており鬱屈と環境を狭める時期もあったが、暦自身は趣味のボードゲームや気の弱さから断り切れず引き受けた雑用を通じて 形成した交友関係がかなり広い。
反対に家族とは家業の問題でわだかまりがあり、ごく普通の家族関係で接しながらも進路の話題が増えるにつれてぎこちない場面にあうことも増えている。 猫を象ったカプセルトイを集めることがすき。



用語解説

【茅之間町(かやのまちょう)】

初音連山という山脈状の山々に囲まれた盆地のため、長い歴史の中では外界との交流が少ない時期がある。
その間に形成された独特の文化の名残が色濃くある自然豊かな町。流行り物は遅れてやってくる。
地方都市から離れた田舎町ながら中年齢層が主軸となり商店や観光を盛り上げるなど活気付けに取り組む面もある。
大型の量販チェーン店とは不利を続けながらも共存と言えるギリギリの関係を保ち、また、土地柄に欠くことの多い面の事がらを補ってくれる相手としては比較的良好な関係を保っている。
"地元産業が食い潰されない程度に利便化しているちょうどいい片田舎"といえる。

町は再開発を奨励している町の中心・烏丸地区、茅之間町の面積を大きく占め、田園風景が遠くの山のすそまで見られる穀田地区、 景観保護と町内外を対象とし、"素朴でもいい、日常に溶け込むちいさな観光を"を標語とした観光の要・鈴掛地区、他の地区とはさくら川を隔て、茅之間町の面積を穀田に次ぎ大きく占める鷹取沢地区の四地区によって構成されている。
それぞれにかつて権力を持っていた家が存在しており、現代においても地主としての影響が見られる。少々顔が利く程度の立場として町を良くするためにそれぞれが異なる手段で奮闘している。
例として鈴掛地区と鷹取沢地区の間を流れるさくら川のアユ釣りが地域間では有名であり、また、同地区に土地を有する酒蔵の地酒が土産品として定番である。
かつて町に多大な利益をあげた養蚕業は衰退したが近世になって一部の文化・技術が向上した面もあり、鷹取沢地区では豊かな自然を生かして林業や果樹栽培における品種改良やブランド化を目指している。

【裏茅之間町/あちら側(うらかやのまちょう/―側)】

人間の住んでいる場所を表側と定義したときに密接に存在する向こう側の、特に茅之間町の空間を指す。
伊三路は便宜上、人間側の世界を"表側/こちら側"として、裏の茅之間町を"裏側/あちら側"と称する。
物質の情報を共有しながらも本来であれば交差しないように隔てられた二つの世界はとある"鏡"――照魔鏡によって意図的な通行が可能となっている。
空を始めとする物質の色を構成する光の波長が異なるため表側の世界の色彩と反転していたり、全く別の色に見えたり、寸分違わず同じ景色に見える。
この世界のすべてのものに蝕は影響を及ぼす。生命体としながらも自然の流れのようなものである性質ゆえに境界を超えれば多くのものと干渉する。
"色彩を構成時に生じるズレは理論では説明できない。つまり、正確には光の波長が異なるのではなく、歪められている可能性がある"
という事柄が何者かによって記述された"黒革手帳の手記"を伊三路が所持している。
法則性を持たない不定形の理が一層ふかく無機質で冷たい印象を人間に与えている。
また裏側の世界の理が適応された人間はこちらの領域に居る限りでは蝕を目視することが出来る。
物質の情報を共有している、という事実が在りながらも伊三路曰く、"最初はなにも無かったはずだった"というため、彼の発言、裏側の理のうちどこまでが真実かは不明である。

【蝕(しょく)】

主に裏側に生息する、人間側の世界では基本的に目視できない粒子状の生命体。
人間側の世界の物質に寄生すると誰にでも目視することができる存在となる。
理の異なる場所に生息する生命体であるため、理を跨いで這い出してきたものは宿主に寄生して理の適応を待つ。もしくはそのまま宿主を媒体として変異させ肉体に成り替わる。
活動の源となるエネルギーは生物の精気であるため、効率よく摂取するべく本能的に"二酸化炭素を排出し熱源をもつもの"に寄ってくる。
そして怒りや不安を含む負の感情そのものと、人間がそれを消化する際に必要とする大きなエネルギー、精神的負荷の副産物を最も栄養価が高いものとして好んでいる。
単体では粒子としての形状を持つも、表側の生命体――少なくとも人間には強大なエネルギー負荷であるため、寄生されたものは元来の形を留めないまでにその姿を大きく変えてしまうことも多い。
精気という目には見えないものを主食とするが、人間や動物の血肉そのものをも捕食する。
かつての人類が歴史を紡ぐ間も度々、何らかの理由で亀裂が乗じた際にこちら側に流出し災いをもたらしていた。
人間側の世界に這い出た後に、生物として存在する物質や細胞を変質させ続け異形となった宿主、ひいては蝕、災いを先人たちは"妖怪"とも呼んだ。
――そして現代、茅之間町を襲ったと縺る事件、蝕の侵攻、それ繧峨↓関して 茅間伊三霍ッは「この町には譌「縺ォ遏・隴倥r譛峨繧玖摯縺梧ス懊j霎シ繧薙〒縺?k縲咲匱險?縺励?√∪繧九〒隧イ蠖薙繧玖摯繧堤衍縺」縺ヲ縺?k縺九?繧医≧縺ェ隍?尅縺ェ陦ィ諠?r隕九縺溘?